利酒ライターの肝機能向上トレーニング

お酒を中心に世界が回っています(※二日酔いでなく)。

うれしいお酒

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いろいろな日本酒を飲むのが好きとはいえ、酔いたいときは気合いを入れなくてよい酒を、と思うので、おのずと飲み口の軽い純米が多くなります。
先日はじめて、浅草へどじょうを食べにゆきました。
骨を抜いた身を敷き詰めた土鍋に、しょうゆベースの甘辛いつゆをたっぷり注ぎ、ささがいたゴボウと小口切りのねぎをこれでもかと盛りつけます。
つい癖で純米酒を頼んでいたわたしも、どじょうを口に含むなり飲み止しのグラスをそのまま店員さんを呼び止め、本醸造(それも量販店で売っているブランド)の熱燗をオーダー。
熱々の徳利からもうもうと立つ湯気とともにお猪口に注ぎ込んで、ぺろりとひと舐め。予想通り、抜群の美味しさ。
こんなにも本醸造がおいしいなんて、と、普段は滅多に飲まない本醸造の熱燗を、3人でお銚子7本も空けてしまいました。

磨きに磨いたどんな純米大吟醸も、どじょう鍋を前にしてはリーズナブルな本醸造の熱燗に適わないのです。
今回お店に連れて行ってくれたお友達に、「さけちゃんはお酒の飲み方がきれいだねぇ。ほんとうに酒を飲むのが好きなひとの飲み方だ」とほめてもらえたのも、たいへんうれしかったです。

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5月の後半に、一週間ほどアメリカ西海岸へ行ってきました。
観光ではなく人に会うための旅だったのですが(指先程度の大きさに見えるHOLLYWOODの例のサインを、散歩の途中や宿泊地の近くから眺めて、こりゃあギャグだね、と言っていた)そこで同行者の知り合いであるレストラン経営者のご夫妻と食事をご一緒させていただきました。
現地の人とは同行者がほとんどやりとりしてくれるため、あまり英語を話すこともなかったのですが、お酒トークは別(同行者は下戸さん)。
ご夫妻が勧めるワインやウイスキーを飲み、拙い英語でキャッキャと喜びを伝えていたところ、最後に奥様が「彼女にどうしてもプレゼントがしたいの」とご主人にお願いをして、二人の作った赤ワインをプレゼントしてくれました。
ご夫妻の自宅の地下、埃まみれのセラーから取り出したのは、何のラベルも貼られていない真っ黒のボトル。奥様はネームラベルに年数とブドウの品種をマジックペンで書き込み、その場で貼付けてくれました。
世界にたったひとつのお酒!
次来るときはわたしのとっておきの日本酒を持ってくると約束しました。

お酒は国境を超え、時として言葉になるのですね。
そのほか、ウイスキー&ビールマニアのシェフの青年と、バクテリアについて英語で激論を交わしたのもおもしろかったです。

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先日、とあるお店の懇意でさけちゃんバーをさせていただきました。
師匠セレクトの日本酒3種に、それぞれと合わせるとおいしいお通しのセット。
こちらで紹介したカネコ小兵さんの器を使い、タイプ別診断なども試してもらいました。

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日本酒の資格を持ち、お酒にまつわる仕事をしていると、
「○○は知ってる?」
「××って最近売れてるけどどうなの?」
と、お酒のブランド名について持ち出されることが多くあります。

わたしは、お酒は名前で飲むものではないと思っています。
もっとも美味しいのは、忘れられない夜に仲間と交わしたあのお酒であり、旅先で飲んだ名前も知らないあのお酒だと、信じています。

手段としてお酒の名前を紹介することはもちろんありますが、それだけでは足りないものです。
名前を超えた、かけがえのない出合いこそが、お酒のほんとうの喜び。
わたしは“お酒と出合う方法”を伝えたい、と思います。
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きょうは漫画をお休みして、最近生きている中で出合った、“うれしいお酒”を紹介させていただきました。
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