利酒ライターの肝機能向上トレーニング

お酒を中心に世界が回っています(※二日酔いでなく)。

お酒と料理の良い関係【1】「美味しいお酒のマズイ飲み方」編

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先日発売となった『日本酒ぴあ』というムックにて、「利酒師ライターが推薦!日本酒がススム ワンコインおつまみ」というページを担当させていただきました。
そんなきっかけもあり、今回から何週かに分けて“お酒と料理の良い関係”についてお話したいと思います。

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日本人にとって、お酒と食事は切っても切り離せない関係にあります。
単独酒としての性質が強かったウイスキーも、日本に来たとたん「水割り」というスタイルが生まれたと言いますし、日本人は食べ物と一緒に楽しむという前提でお酒を飲むことが多いのです。

そんな日本人が作り出した日本酒というお酒は、とうぜん一緒に食べる料理と深〜い関係を持っています。

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以前、友人に利酒師の資格を持ってるよ〜と話したところ、
「ソムリエの人が使う、『スイカズラのような…』とかいう味の比喩表現って、どうやったらできるようになるの?」
と聞かれたことがあるのですが、個人的にはこの表現、できるようになる必要がないと思っています。

なぜなら
スイカズラってどんな香りだよ!
…って思う人がほとんどだからです。
せっかくお酒の魅力を語るのであれば、相手に伝わらないと意味がありませんよね。

日本酒の魅力を語る際に便利なのが、「このお酒にピッタリの料理は何か」を提示すること。
日本酒に特化した飲み屋さんで、メニューに「こんな料理と合います」などと書かれているのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

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しかし、我が師匠こと地酒みゆきや店主・的場照幸さんは、
「そのお酒に合う食べ物ではなく、そのお酒がマズくなる方法を知っているこそが、本当に美味しい飲み方を知っている
と語ります。

わたしは師匠からいきなりこんな抜き打ちテストをさせられました。

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どうでしょう。みなさんならなんと答えますか?

師匠は和歌山県・新宮の酒屋地酒みゆきやを営んでいますが、実は並行して経営している「食心奉」という飲食店歴のほうが、酒屋歴よりも長いんだそうです。

そんな料理のプロでもある師匠の言う“ちくわのマズイ食べ方”とは、「沸騰したお湯で一時間以上ゆでる」こと。
こうすると、ちくわの魅力であるところの旨みがすべて抜けてしまうため、全然美味しくなくなるのだとか。
なるほど、マズイ食べ方って、そのものの持つ良いところを潰してしまうという意味なんですね〜!(そういう意味で、いちごジャムは不正解…笑)
わたしはちくわに精通(!?)していないので、正しく回答することができなかったわけです。

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ちなみにここで、食心奉の日本酒メニューをちらっとお見せします。

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多っ!!!
100種類は軽く超えています(さすが酒屋が営む居酒屋…)。
しかもそれだけではなく、

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すべてのお酒に、味わいや飲むのに適したタイミング・温度帯などが記されています。
こんなに多くのお酒について熟知していることよりも、まずこんなメニューを作ろうとした情熱に頭が上がりません。

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甘いケーキには、苦いコーヒーがピッタリ。
でもそんなこと、誰だって知っています。
「相性の良いもの」を言うのは、意外に簡単なのです。

では、甘いケーキに合わない飲み物って一体なんなのでしょうか?
生クリームたっぷりのショートケーキなら、チーズケーキなら、ガトーショコラなら…。
きっと、ひとつひとつ違ってくることでしょう。

お酒を極めている人は、そのお酒の”悪いところ”をしっかり理解しています。
短所を知っているからこそ、それをカバーし、長所を最大限に引き出すことができるのです。

…ただし、冒頭の漫画のセリフを言うと、店舗の方に「なんだこの生意気な客は…」と思われる恐れがあるので、くれぐれもご注意くださいね。
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