利酒ライターの肝機能向上トレーニング

お酒を中心に世界が回っています(※二日酔いでなく)。

痛風★ロマンチック

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職場務めのころ、3ヵ月くらいマトモに家に帰られず、徹夜仕事をなんとか乗り切るために毎晩3缶以上のビール飲んでたら尿酸値がちょっとアヤシイことになった経験があります。
アルコール処理機能はストレスでも低下すると言いますからね…。よいオトナは真似しないでください。

「30代とは、ビールとの離別の時である」
——byとある先輩(31歳♂・編集者)


痛風。
風がチョロッと吹くだけでもメッチャ痛い、という様子から名付けられたその名前…。

お酒を出すお店でアルバイトをしていたとき、おじさまたちがビールではなく焼酎やウイスキーばかりを飲むのはなぜなんだろうと思っていたのですが、20代後半にさしかかり、だんだんその理由がわかってきたように思います。



しかし、おじさまたちに「わたしも尿酸値高いんですよ〜」と言うと、漫画のように「女性は痛風にならないよ?」と言われることが多いですが、現代はそんなことまったくないそうです。
そもそもかつて女性の尿酸値が上がりにくかったのは、女性ホルモンの活躍のおかげ。
それが、女性の社会進出などによりホルモンバランスが崩れたり、食生活が変わったりしたことで、女性でも罹患する人が増えているのだそうです。
(この辺は専門でないので、みなさま各自でお調べくださいませ)



ところで、痛風おじさんたちの、痛風仲間を見つけたときの様子というのは、なんだか戦友を見つけたかのように妙なうれしさをたたえており、
「おやおや、あなたもですか…」
「はは、お恥ずかしながら…あなたもお仲間でいらっしゃいましたか」
と互いのコップにビーr…じゃないや焼酎を継ぎ合うような、ちょっとした親密さを生み出すものです。

学生時代のように、みんなでガブガブと浴びるほどビールを飲んでいたら、とある日の健康診断で、尿酸値の項目に「!」マークがついていて自分の頭の中まで「!」となる。
えっ…?私の尿酸値、高すぎ…?
(このネタちょっと古いですね)
おかしい…自分だけがこうなるはずがない…同じようにガバガバ飲んでいるあいつだって…あいつだって…
と誰にも言えない孤独に陥りつつ、一人薄暗いバーで刺激の足りない焼酎を飲んでいたときに、隣に座っていた同じ年くらいの男性が、カウンター向こうのママに向かって
「イヤ〜、痛風が再発しちゃってさ〜」
なんてボヤいていたら、
「と…友よ!!!」
と、一筋の光が見えてしまっても仕方がない。

みんながビールを酌み交わすテーブルのはしっこで、蒸留酒を片手にヒソヒソ痛風について語り合うおじさんたちの輪は、なんだか非痛風の若者にはそう簡単に足を踏み入れられない、ちょっとオトナな空間に見えてしまうものです。



そんな痛風ロマンチスト(怒られるぞ)たちにご紹介したいのが、こちらの本
小説家・佐伯一麦の書いた、『月を見あげて』というとっても美しいエッセーです。

お酒の好きな佐伯氏、例に漏れず痛風持ちでいらっしゃるのですが、久しぶりに症状を発症したとき、慰みを見つけるために自分の蔵書の中から、痛風持ちの作家の本を探そうとするんですね。
大江健三郎、三浦哲郎、椎名誠…。
文学界に名を轟かす面々が、痛風に苦しんでいた!

その中で、小説家であり評論家でもある広津和郎が「痛風にかかったとき、『痛いッ!』って言うと『いッ!』のところが足に響くから、試しに『プップクプ!』って言ってみたら大丈夫だった」(大意)(ほんまかいな)と言っていたというかわいいエピソードが紹介されています。
みなさんも、足指が痛み出したらぜひ「プップクプ!」にチャレンジしてみてくださいませ。責任は一切負いません。
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